瞬間接着剤の検証(MP-TとPET樹脂)

こんにちは!

以前、このブログにてミラーの工作事例として雪の結晶に挑戦した記事を書きました。

MP-Tの0.5㎜厚を丸めて接着する内容です。

この時、グルーガンを使いましたが、実はその後これが大失敗だったことが判明しました。

作っている際には問題ありませんでしたが、数日後に見ているとグルーガンの接合部分が剥離してバラバラに(大汗)

これではっきりしましたが、MP-TとPET樹脂の接合にグルーガンは不向きという事。

そもそもMP-Tのフィルム自体PETフィルムですので、PET樹脂同士の接合に置き換えてもいいでしょう。

PET樹脂同士の接合にグルーガンはNGという事です。

そこで今回はこれまで白化する恐れがあったのであまりお勧めしなかった瞬間接着剤での検証を行ってみました。

検証方法

MP-Tの1.0㎜厚Sサイズを50×200㎜の短冊にカットし、フィルム側とPET樹脂側を接着剤でへの字交差で接合。

接着剤の硬化(約12時間後)に剥離を試みてその様子を自己採点してみます。

 

50㎜幅のへの字交差なので接合箇所は50×50㎜となります。

ミラーフィルム面が半透明セパでPET樹脂側が薄ピンク色のセパなんです。

今回はクランプを使わず軽くへの字に交差したままで特に挟んで固定する事なく放置してみました。

それでは今回使った接着剤の紹介にうつります。

左上から順に、

百円均一のダイソーさんにて入手「強力瞬間接着剤 多目的」、「強力瞬間接着剤 プロ用ハイグレード」、続いてネット上でPET樹脂の接着に有効との情報を得た「アロンアルファEXTRA2020」、「アロンアルファ プラスチック用」、最後番外編として合板との接合に有効だった「セメダインスーパーXクリア

選定の基準はPET樹脂の接合に対応しているか否か。

基本的にPET樹脂は難接着素材としてNGとなる場合がほとんどです。

PET樹脂はポリエチレンテレフタレート、または不飽和ポリエステルと位置付けられます。

基本的難接着剤のPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエステル・ポリエチレン)とほぼ同列です。

大抵の接着剤にはこれらの素材は不可とあります。

しかし、今回選定した接着剤の箱書きにはこれらの素材がNGとは書いてません。(一部プライマー・下地処理前提もありますが)

というわけで早速試してみました。

今回「アロンアルファ プラスチック用」は下地前処理のプライマー付きで箱書きにもPE・PPという難接着素材も可能を書いてました。

一応比較の意味でプライマー無しでも試してみます。

スーパーXについては少し予備乾燥の時間を設けてます。

こうしてすべての検体を用意しました。

左が検証直後、右が約12時間放置して硬化を促した後です。

ぱっと見でお分かりいただけますでしょうか、瞬間接着剤は一部白化が進んでます。

評価方法・基準

評価方法としては完全に独断と偏見です(苦笑)

接合部分を無理やり剥がして様子を見るのと、無理やり剥がす際に必要になる力加減など。

接着力を8点、白化が気になるので外観もチェック項目にいれ2点とし、接着力8外観2の合計10点満点で評価してみたいと思います。

接着剤の種類

 評価雑感

 評価点

多目的

 MP-Tのフィルムが剥離(接着剤とPETの密着が勝さる)

 完全に硬化していない。白化が見てとれるが保護フィルム上でとどまっている。

 接着力3

 外観1

プロ用ハイグレード  多目的の結果に近い。白化が一番顕著に見える。

 接着力3

 外観0

EXTRA2020

 同じくフィルムの粘着が負ける。しっかりと硬化している。

 いい感触である。気にならない程度には白化がみてとれる。

 接着力7

 外観1

プラスチック用 プライマーあり

 同じくフィルムの粘着が負ける。かなり強固に、しっかりと硬化している。

 難接着向けあって、接着はほぼ完ぺきだが、少し白化が気になる。

  接着力8

 外観0.5

プラスチック用 プライマー無し  同じくフィルムの粘着が負ける。しっかりと硬化している。
 気持ち白化はマシにみえる。

 接着力7

 外観1

スーパーX

 PET樹脂のほうに粘着が残る感じで比較的力なく剥がれた。

 硬化時間が不足している可能性があり、再検証する必要性あり。
 白化は一切見受けらない。

 接着力4

 外観2

独断と偏見の感想

PET樹脂と木材との接合の際には万能の評価となったセメダインスーパーX、今回のPET/PETの結果だと6点です。

木材の時は24時間の硬化時間とクランプの固定があったので、正直同条件で再検証の余地ありです。

しかし、故意に剥がさないと剥離はしませんし、白化しないクリアな接着としては一番かもしれません。

100均の瞬間接着剤はなかなか惜しい感じです。

接着力こそ3とつけましたが、フィルムの粘着よりは強い密着でした。
ただ、瞬間接着剤なのに12時間かけて硬化していないのと、やはり白化がいただけない。

プラスチック用のプライマーあり、これはもう妥当な結果です。8.5点ですから。
ただ、プライマーを使うのがひと手間です。

瞬間接着剤の利点を殺しているといっても過言ではありません。

次点ではありますが、プライマー無しもしくはEXTRA2020が8点と高得点です。

プライマーなしなので瞬間的に、すぐ接着したいという瞬間接着剤の意義もありますし。
たまたまかもしれませんが、白化もマシでした。

ただ、これはあくまで当店での検証による独断と偏見です。

保障をするものではありません。

あくまで工作の参考にとどめておいてください。

 

今回の検証で使った商品は…

PET樹脂ミラーMP-T1.0㎜厚Sサイズ